ーーあらすじーー
さっそく希望の麻酔をかけてもらったら、かかりすぎてしまい、その上ばい菌が入って熱があると言われてしまったアタシ。
出産、どうなるの?
詳しくは、カテゴリーの『妊婦のつぶやき・思い出』で過去5回分をお読みください。
**
妊娠してから、風邪を引かないように、引かないように、とすごーーーく気をつけてきた。
春先になると毎年花粉症になって、薬をいつもは飲んでいるけれど、この年はなるべき薬無しで乗り切ろうとした(少し飲んだけれどあまり効かないやつだった)。
なのに、
なのに、
なーのーにー
今、まさに出産するってときに、なんでこんな目にあわにゃーならんの? それも病院側の不手際で!
熱を測ったら華氏100.8度(摂氏だと38度ちょい)。
あたしの平熱は、摂氏で35.5度だ。微熱の37度で「あー、熱がある!」と叫んでしまうあたしにとって、38度は40度みたいなもんだ。
薬を飲まされ、水分の点滴に抗生物質(だったかなー、覚えていない)の点滴も追加。
「これですぐ熱が下がる予定だから、そうしたら産みましょう」と言われた。
が、明け方に飲んだ薬は効かず(100.7度に下がったけれどね)、午前中の早い時間にまた同じ薬を飲まされた。
なんだかもう、勝手にしてっ! って感じ。
すでにやる気を失ってしまったとでも言うのだろうか。
子宮口もなかなか開かないし、熱も下がらないし下半身は麻酔が効きすぎているし。
ただ、明け方に交代したカリフォルニア出身の看護婦さんがとおおおおおおおおおおおってもいい人で、救われましたな。
そして当たり前だけど、生まれた子どもはしっかり調べられ、なんらかの問題が起きたら一週間入院。何もなかったら一緒に退院。あ、その前にあたしの健康もチェックされるということだった。
ドクターに出産前にこう言われたとき「せっかくここまでがんばって健康できたのにィィィィィ。こんなことで赤子に何らかの問題が起きていたらどおおおおしてくれるんだよおおおおおおお」という思いで一杯。
しかしそれも運命??
薬が効いてきたのか、うとうとしていたら、11時前くらいに看護婦さんに「さあ、産むわよ」と言われた。
えー、今から?
寝ている間に子宮口、調べられたのかな。
それに熱は下がったのかしらん??
そうかー、じゃあ、分娩室に移動だな。
と、思っていたら、泊まった部屋で産むという。
ありゃ、分娩室も兼ねていたのね。
コロンビア大学の医学生のインターンが経験の為に出産を見たいと言っていて、その彼が入ってきた。
彼があたしの左足を持って、ぼくちゃんが右足。
ぼくちゃんは「立ち会いなんていやだよ」と言っていたけれど、流れるまま立ち会うことになってしまった。
しかしねえ、産むと言われても麻酔のおかげで下半身感覚ないから「息んで(PUSH!!)」と言われても、どこにどう力を入れたらいいのかわからない。ぼくちゃんは「うんこをするように」と言うけれど、いや、それはわかっているのよ。でもまったく感覚がないんだもん。頭に血が上ってプッシュしたあとにすんごい疲れるのはわかる。
看護婦さんがよく話す人で、流れの中であたしがNYCマラソンに参加したことがある話になった。それからがぜん
「Akitsuuuuuu, You CAN Do it! You can dooo it!!」「Almost there, almost there!」「you looks goooooood, loooks goooooood!!」と、沿道で応援している人のような言い方をされて、なんだかマラソンしている気分になった。
でもね、実際に頭が見えてきたり、ちょこっと出てきたりするとかけ声がまったく違うから(とくにぼくちゃん)、同じように励まされていても「あ、今回はダメだったんだ」とか「おお、ちょっとはよかったのかな」というのが、酸欠になってくらくらしている頭でもわかるんだよね。
なかなか赤子が出てこなかったのか、そしてなぜか「ドクター●●」「ドクター▽▽」「ドクター☆☆」とドクターが入れ替わり立ち替わり入ってきて、その度に子宮の中に手を入れてぐりぐりチェックされていた。
息み出して早1時間以上が経ち、ドクター及び看護婦さんたちの間で話あった結果、吸引機械を使うことになった。それでも赤子が出てこなければ帝王切開、と言う。
その話が終わるとともになんだかテーブルが運ばれてきて、その上にはメスとかが乗っかっていて「しえー」って感じ。ぜったい帝王切開だけは避けたいぞ、と。
子宮の中に吸引機械が突っ込まれ「さあ、行くわよ!」ってな感じでぷーーーーーーーーしゅ。ぷーーーーーーーーーーーーーーーーーっしゅ。ぷーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっしゅ。
と、ともも、浅黒い物体とともにぶしゃっと血が飛び散った。
8月4日、午後12時36分
獅子丸、誕生。
ぼっとしていたぼくちゃんは「お父さん、へその緒、切って」とドクターに促されて切っていた。
あたしはとくに痛みも感じずに産んだけれど、とりあえず、もう、吸って息まなくていんだなとぼおっと思っていた。そして部屋から獅子丸のよわっちい泣き声が聞こえて「ああ、本当に生まれたんだ」と、思った。
「番外編(予定)」に続く。
人気blogランキングへ
クリック、ありがとうでつ。